今日は翻訳会社さんの翻訳チェッカー講座を受講しました。
私は2010年ごろから翻訳のお仕事を始めたのですが、今改めて思うのは、私が携わっていた分野はかなり特殊なほうだったということです。
私がやっていたのは、テレビ局の報道番組の取材素材の翻訳でした。
基本的にはインタビューを文字おこししたものを翻訳していたのですが、関連資料や論文など通常の文章の翻訳も多々ありました。
翻訳の仕事をするにあたっては、翻訳の土台となる基礎的なスキルの講座は受けていましたが実務に役立つツールの使い方や専門分野に特化した講座というのは受けたことがありません。
それでも翻訳をやっていけたのは、留学の経験があり話し言葉の翻訳は私にとっては難しくなかったからでした。
ところがテレビ局のお仕事はとにかく納期が短く、今日原稿が来て明日納品なんていうことがほとんどで徹夜が続く日々です。
まだ30代前半で若さもあったしとにかく翻訳スキルを上げたいと思っていたのでやっていけていましたが、やはりずっと続けることが体力的に難しくなりました。
そこで途中からは日本で取材された素材(音声や動画)の文字起こしに切り替えました。そちらのほうが割が良かったのです。
また、そんなに頻繁ではありませんでしたが韓国語の取材素材の仕事もありました。
韓国ドラマにはまり韓国語を勉強して翻訳もできるようになっていたため、韓日翻訳のみを請け負う形で翻訳を続けていました。
そうこうしているうちに昔よりも英語の実務翻訳分野が明確に分かれていき、「さてもう1回英語翻訳の仕事にチャレンジしてみよう」と思っても、特に英語の実務翻訳では本当にその分野の専門知識がないとトライアルすら受けられないという状況に。
ましてや私のようなツールもほとんど使ったことがない、専門分野もないという翻訳者は実務翻訳の世界では全く使いものにならないという事態……。
そこで医薬翻訳、契約書、ITなどの翻訳通信講座を受けてみたのですが、興味があちこちに移りがちな性格のため、1つの分野だけに特化してやっていくということがどうしてもできなくて、いくつも通信講座を受けては挫折していました。
そしていろいろと勉強してみてわかったのは、私には分野の決まった実務翻訳は向いていないということでした。
これには本当にショックでした。翻訳はできるのに使い物にならない。実務翻訳の世界の厳しさを痛感した瞬間でした。
そんななか自分に向いていると思う分野が今日受けた講座で、しかもチェッカーというお仕事でした。
私は今書籍や雑誌、ウェブ記事などの校正・校閲の仕事をしています。スキルはまだまだですが、こちらのほうが翻訳の仕事よりも向いていることが分かりました。
せっかく持っている語学力も生かせればと、翻訳チェッカーの仕事に応募してみようと思ったのが今回講座を受講した経緯です。
校正の仕事で多少関わったことのある分野だったので受講したのですが、課題をやってみると自分に向いていそうだということが分かりました。
長くなりそうなので続きは次回に。
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